皆様,暑い日が続いておりますが,体調いかがでしょうか?今日のテーマは先日,当ST所属の小堺武士PTがオランダの地域医療・介護の視察に行く機会があり,インタビューした内容を記事にさせていただきました.
―今回,オランダの視察に行かれたという事ですが,オランダの地域リハの雰囲気はどうでしたか?―
今回は,ビュートゾルフという在宅ケア組織に所属している理学療法士と作業療法士の訪問リハビリに同行させていただきました.まず,オランダではパートタイムの労働者が多く,そのためワークシェアリングが進んでいて時間的に余裕があり,皆さん活き活きと働いているのが印象的でした.
スケジュール上、理学療法士・作業療法士の実際の訪問に同行させていただいたのは1日だけだったのですが、とても狭いエリアを集中的に回っているシステムが印象的でした.また、理学療法士の理学療法は身体機能や動作面に特化しており,一方で作業療法士は福祉用具や環境面のアプローチに特化した介入をしているのも印象的でして,やはりそれは,看護師も在籍するチームなのですが,お互いの働き方をよく理解しあっているので,各職種がやるべきことに集中して業務に取り組んでいるように感じました.
―そうですか,オランダではワークライフ・バランスが良好に保たれていて,その上でお互いチームが理解しあっているからこそ必要な業務に集中できているのですね!!―
―小堺さんは理学療法士ということで,日本の理学療法士とオランダの理学療法士では何か違った点などありましたか?―
まず,オランダの訪問リハでは30分を一区切りにしており,日本では20分で一区切りにしているのとの事でしたが、時間はあまりに気にしていないように感じました。また,同行した限りではいわゆるマッサージというものは見られませんでした.あとは,各理学療法士や作業療法士がそれぞれの分野にすごく特化していて,それを基にした介入がされていました.もちろん地域で働く以上は特定の専門性のみで働くことは難しいので,ある程度いわゆる「ジェネラリスト」として働くという卒後教育を受けた上で各専門性に特化していました.
―と,いうことはリハビリ専門職がある程度,他の職種が何をするのかを理解しているということですよね?―
そうなんですね.そして,今回同行させていただいた理学療法士はパーキンソン病等の専門であると言っていたのですが,実際にパーキンソン病の患者の自宅に訪問し,介入するに当たってはやはりマッサージ等はせずに,基本動作の反復練習と家族教育や本人に対する助言などを中心に実施していました.
ーストレッチはされていました?ー
今回見学した中では見ませんでした.ほとんどが動作練習でしたね.行ったとしてもアクティブでの関節可動域運動ぐらいだと思われます.
―小堺さんは今回,オランダに視察に行かれて多くの経験や知識を得られたと思いますが,今後どのように仕事に生かしていきたいですか?―
まずは,やはり小さいエリアで業務に従事することが大切だなと感じています。また,今日本なら各事業所が訪問看護STなら訪問看護師,訪問介護STなら介護士,訪問リハビリなら,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士がそれぞれ別々の事業所から訪問してますが,できれば,それらを一つにまとめた包括的なステーションがあったほうが地域のためにはメリットが大きいのではないかと思います.その上で,各職種が小さいエリアで頻回に業務を従事することでその地域の中で他職種の顔の見える関係作りが出来たり,相互理解が深まって,各職種がお互いの業務に特化できるのではないかと思います.その点においてケアパック石川としても,各療法士がもっと小さいエリアで訪問できる体制を作るべきであると考えています.そうなると主治医の先生との良好な関係性を築きやすいだけでなく,ケアマネジャーや他の事業所の看護師とも意見交換がしやすくなり,お互い信頼をもてるようになると感じています.
―当STもそうなれるようにがんばって行きたいですね!!また,そのことを多くの人にも知っていただければもっとよい地域医療を築けると私も思います.ありがとうございました.―
今回,オランダ視察の内容を少しだけインタビューで紹介させていただきました.皆様いかがだったでしょうか?また今回の視察の報告会を現在,年末を目安に準備しております.また詳細が決まりましたらご報告させていただきますので,そちらもよければお気軽にご参加ください!!それでは失礼します.