第16回日本在宅医学会に参加して

少し前の話題になりますが,当ステーションの理学療法士,田中渉が第16回日本在宅医学会でポスター発表しました.今回はその内容や今後についてインタビューしました.

 

(今回の発表ではどのような発表をされたのですか?)

 要介護認定者の介護をしている主介護者がどういったところで介護負担を感じているかを調査しました.

 

(今回調査を行ってどういったことが分かりましたか?)

 今回調査して分かったことは,介護者さんと寄り添うような会話や関係を持つことで、今まで認識できなかった負担や困っている事を把握できる可能性があるのではないかということが分かりました。その一方で、今回の調査の対象となった方は介護期間が比較的長い方であり,そういった介護者様に対してはいわゆる理学療法士作業療法士の介入が介護負担感の軽減になると考えて指導したりとか,福祉用具の導入をしたりとか,その他ケアプランを「こういったものが良いのでは?」と提案するということは,実際はそこまで求められていなのではないかという印象があり、介護期間は介護負担感に介入するにあたっての一つのキーワードとなるのかなと感じました。

 

(発表の際,周りの反応はどうだったんですか?)

 周りの反応としては,在宅医学会と言うこともあってか、介護負担感の調査は今後も必要だという意見のやり取りがあり,その他にも癌患者さんの看取りも含めた介護負担感に興味を持っている方からも何人か意見交換をさせていただきました.

 

(最後に,今後どのようにこの発表を活かしていきたいですか?)

 今回は介護負担感軽減を視野に入れた評価スケールの作成の第一報ということで,いろいろと質問してどのような要因があるのかを明らかにする調査研究でした.今後は,「実際にどういった介入をすると介護負担感が軽減するか」を更に踏み入れて、介入研究といった形で研究を進めていきたいなと思っています.